面識がない兄弟との遺産分割協議を成立させた事例

ご依頼の背景

ご依頼者には高齢の父親がいましたが，その父親が亡くなりました。

ご依頼者が相続の手続きを始めたところ，父親には昔，離婚歴があり，前妻との間に子供が二人いることが判明しました。

ご依頼者は父親から子供（ご依頼者からすると，義兄弟）がいることをまったく聞いたこともなく，びっくりしました。ご依頼者は当然，この義兄弟に会ったことも話したこともありませんでした。

また，現在の所在も知りませんでした。ご依頼者はこの義兄弟と遺産分割協議をしなければならなくなり，どうしてよいか分からず，当事務所にいらっしゃいました。

依頼人の主張

ご依頼者としては，この義兄弟の所在を確認すること，さらに所在が分かったら遺産分割協議に参加してもらうこと，さらに父親の不動産（家）にはご依頼者が住んでいるため，不動産はそのまま自分が相続したいことが希望でした。

その際，義兄弟とは直接連絡を取りたくないため，すべて弁護士のほうで話を進めてもらいたいということでした。

サポートの流れ

当職はまず義兄弟の所在を調査することにしました。当職はご依頼者の戸籍謄本から改製原戸籍，戸籍の附票，住民票などを調べあげ，義兄弟の住所を見つけ出すことに成功しました。

そして次にこの義兄弟と連絡を取ることを試みました。

当職はこの住所にあてて内容証明郵便を送るなどし，義兄弟と連絡を取ることに成功しました。義兄弟はそれぞれかなり遠方に居住していましたが，直接家に訪問し，事情を説明することにしました。そのうえで遺産分割協議に参加してもらうようお願いしました。

当職からは，義兄弟にはそれぞれ家があり，被相続人の家を取得するメリットはないことを強調し，代わりに相応の金銭を代償金として支払うことで納得してもらいました。

結果

ご依頼者は面識のない義兄弟と一度も会うこともなく，直接話すこともなく，遺産分割協議を成立させることができました。

ご依頼者は相応の金銭を支払うことで家を守ることができ，とても喜んでいました。