亡くなられた方父親
相続人長男,長女,次女
財産(遺産)土地,建物

ご依頼の背景

ご依頼者は父親と一緒に,栃木県にある実家で生活していました。

母親は既に他界しており,兄弟は北海道や高知県などかなりの遠方で暮らしていました。そんな折,父親が亡くなりました。ご依頼者は父親と暮らしていた実家をそのまま引き継ぎたいと思い,兄弟と遺産分割について話し合いました。

しかし,兄弟とは意見が対立し,遺産分割協議が上手くいきませんでした。ご依頼者はこのまま自力で話し合いを続けても埒が明かないと考え,弁護士に相談すべく,当事務所にいらっしゃいました。

依頼人の主張

ご依頼者としては,兄弟たち(相続人)と遺産分割についてきちんと話し合うこと,そして父親と暮らしていた実家を引き継ぐことがご希望でした。

サポートの流れ

弁護士が相続人の代理人となって他の相続人と直接協議することもできますが,他の相続人が弁護士との協議に慣れていない場合,弁護士が協議に参加するとかえって警戒され,他の相続人が「自分は言いくるめられるのではないか」「自分に不利になるのではないか」と考え,まともな協議ができない可能性があります。

また,相続人本人が親族である他の相続人と話し合っても上手くいかなかったケースでは弁護士が介入したからといって話し合いがまとまるとは考えにくいともいえます。

そこで,相続人本人が他の相続人と話し合って上手くいかなかった場合はすぐに遺産分割調停を申し立てたほうが早い場合が多いです。

本件でも,ご依頼者が直接話し合ってもうまくいかなかった状況でしたので,すぐに遺産分割調停を申し立てることにしました。調停の管轄は宇都宮家庭裁判所になりました。

調停(裁判)では当事者(代理人を含む)は裁判所に出頭することが原則ですが,管轄裁判所から遠方に住んでいるなどの事情がある場合には,直接出頭しなくても電話会議による参加が認められています。

本件では,相手方である兄弟は管轄のある宇都宮家庭裁判所からかなりの遠方に住んでいるため,電話会議での参加が認められました。

調停中,当職はご相談者の代理人としてご依頼者の利益になるよう主張すべきことを主張しました。調停は白熱し,なかなかすぐには協議はまとまりませんでした。

しかし,裁判所が介入し,調停員の関与のもと,相手方も冷静に考えてくれるようになったのか,次第に折り合いの兆しが見えるようになりました。

結果

最終的に,裁判官が当事者双方の意見をまとめ,兄弟にはご依頼者に相続分を譲渡させ,その代わりに,ご依頼者には兄弟にその相続分に応じた代償金(金銭)を支払うことで,ご依頼者が実家の土地,建物を引き継ぐという案で,協議はまとまりました。

時間はかかったものの,ご依頼者は兄弟ときちんと話し合いをまとめることができ,そのうえ,一番の目的であった父親と暮らしていた実家を引き継ぐことを達成でき,とても喜んでいました。

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