ご依頼の背景
借金の状況 |
1000万円以上 |
借金の理由 |
事業資金 |
借入先 |
消費者金融など |
ご依頼者は個人事業を営んでおり,以前は収益も多く,問題なく事業を営んでいました。しかし不景気などの影響で売り上げが減り,消費者金融などから事業資金を借りることが多くなってしまいました。
当初は問題なく返済できていましたが,やがて返済が苦しくなり,借金の返済のために借金をするようになってしまいました。
借金を繰り返してしまい,気づいた時には総額1000万円を超えていました。
毎月の返済額も増え,きちんと返済できる状況ではなくなってしまいました。
このままでは遅延損害金などで借金総額ばかりが増えていく状況となり,ご依頼者はどうしようもなくなり,借金を何とか整理しようと考え,当事務所にご相談に来ました。
弁護士の見通し
ご依頼者の借金は高額であり,従前の支払いを継続できる状況ではありませんでした。早急に借金の処理が必要でしたが,ご依頼者には持ち家(住宅ローン付きの所有不動産)があったため,安易に破産をしてしまうと,この家まで失う恐れがありました。
そこで,当職としては個人再生を検討することとしましたが,債権者の中の一つに大口債権者がおり,債権者の同意を必要とする「小規模個人再生」(一般的とされる個人再生手続き)ではこの大口債権者の不同意により「小規模個人再生」の遂行が困難になることが想定されました。
ただ,だからといって債権者の同意を不要とする「給与所得者等個人再生」では債務者の可処分所得を考慮されるため,一般的に支払額が大きくなる傾向にあり,特にご依頼者の収入では支払額がかなり大きくなることが明らかだったため,何としてでも「小規模個人再生」を全うする必要がありました。
サポートの流れ
当職としては,ご依頼者に「給与所得者等個人再生」になってしまう可能性があることを説明しつつも,まずは「小規模個人再生」による処理を目指すことにしました。
何とか大口債権者の同意を得られるよう,債務者の経済状況や返済計画などを説明し,繰り返し交渉を続けました。
その結果,大口債権者を含めすべての債権者から再生計画の同意を得ることができました。
結果
当初,大口債権者が再生計画に不同意の姿勢を見せていたため,「小規模個人再生」による処理をあきらめ,「給与所得者等個人再生」を覚悟していましたが,何とか「小規模個人再生」による処理を全うできました。
「小規模個人再生」と「給与所得者等個人再生」とではその支払総額はそれほど変わらないこともありますが,本件ではかなり違ったため,「給与所得者等個人再生」を回避でき「小規模個人再生」による処理を全うできたことはご依頼者にとって大きなメリットとなりました。”