職業無職 婚姻年数4年
子供の有無有り(1人) 問題の原因養育費の不払い

相談内容

ご依頼者夫婦は,性格の不一致のため,離婚しました。元夫はご依頼者に養育費を支払う約束をしました。

しかし・離婚後,元夫から「失業したため養育費を払えない」との連絡がありました。

また,元夫は「ご依頼者が児童手当を受領していること」,「ご依頼者の親から経済的な援助を受けていること」を理由に,「養育費がなくても子供を育てていけるはず」と言ってきました。

ご依頼者はこれから幼い子供を1人で育てていかなければいけませんが,現在は無職であり,仕事探しも難航しています。両親からの援助もいつまでも受けられるわけではないため,不安をかかえています。

そのため,失業中の夫に養育費を請求したいと,当事務所に相談にいらっしゃいました。

一言アドバイス

養育費について当事者同士の話し合いで解決できない場合,家庭裁判所に対し,養育費請求の調停を申し立てることが出来ます。

養育費の算定に当たり,失業手当は原則として考慮されますが,児童手当や親からの経済的な援助は考慮されません。

アドバイス詳細

養育費は,子どもが健やかに成長するために必要な費用です。養育費は両親の経済力に応じて分担することになります。

調停において養育費の具体的な金額は,原則として裁判所が公表している算定表に基づいて計算されます。夫婦が仕事以外で収入を得ている場合は,養育費にの算定にあたり考慮されるかどうかが問題となります。

まず,元夫は失業中ですが,失業手当を受給しています。失業手当は求職者及びその家族が安定した生活を送るための支援(給与代わり)として給付されるものです。

そのため失業手当は,原則として養育費の算定にあたり考慮されることとなります。

次に,ご依頼者は児童手当を受給しています。児童手当は子育て支援のためのお金(援助金)です。

そのため,養育費の支払いに影響を与えるものではないとされます。

よって児童手当は養育費の算定にあたり考慮すべきではないとされています。

また,ご依頼者は両親から経済的な援助を受けています。

しかしながら,こうした援助はいつ打ち切られるか分かりません。

また,養育費の支払い義務は,親の扶養よりも優先されます。

そのため,親からの経済的な援助は,養育費の算定にあたり考慮されません。

当職は裁判所に養育費請求調停を申し立て,上記の主張をしました。調停では,元夫が失業保険を受給していることを踏まえ,算定表に基づく養育費の金額が決まりました。

児童手当と両親からの経済的な援助は,養育費の算定にあたり除外され,減額を阻止できました。失業中の元夫から,相当額の養育費を得ることができ,ご依頼者は喜んでいました。

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