自己破産の手続きの流れと破産が認められない事由

これ以上返済することが無理な状態に陥った債務者について、裁判所によりその借金を免除する手続きを「自己破産」と呼びます。しかし、破産による借金免除が認められないケースもあるため、事前に条件をよく確認しておくことが大切です。

ここでは、自己破産手続きの流れと、破産が認められない事由について解説します。

自己破産手続きの大まかな流れを把握する

自己破産を行う場合、必要書類や事の進行が非常に煩雑であり、裁判所に対する重大な申し立てであるため、大多数の人は弁護士に依頼して手続きを進めています。

裁判所への破産申し立てと債権者に対する受任通知

弁護士に自己破産手続きを依頼すると、弁護士は全債権者に対して受任通知を送付します。

債務者が自己破産の申し立てを行うと、債務者に代わり弁護士が代理人となったことが通知されるため、この日より債権者からの督促が止まります。

裁判官による審尋

必要書類を提出したら、債務状況や返済不可能になった理由について裁判官と面談する審尋が行われます。

弁護士に依頼している場合は、本人の代理として弁護士が審尋に臨みますので、本人が裁判所に出頭する必要はありません。

ただし、破産開始決定前には直接面談を行うことになるため、その時は本人が裁判所に出向き、自ら裁判官に対し借金の背景等について誠実に申告することになります。

破産開始決定

審尋の後間もなくして、破産開始決定が出されます。

債務者に特別な財産がない場合は「同時廃止」財産がある場合は「破産管財」として扱われます。

同時廃止

一定基準以上の財産がなく、書類や審尋による確認も問題なかった場合、破産手続きの開始と終了が同時に行われます。

破産管財

99万円を超える現金や評価額20万円以上の財産がある場合、また破産者の名義で所有する不動産等がある場合は、管財事件として扱われます。

この時、財産を管理する破産管財人が任命され、予納金の支払いや債権者に対する配分等が行われることになります。

免責審尋

破産手続きの同時廃止決定がなされた後、借金免除を意味する免責のための審尋が行われます。弁護士に依頼している場合は弁護士が出頭し、審尋に対応します。

免責許可決定

免責審尋が行われた後、間もなく免責許可決定が弁護士事務所に送達されます。
これは、借金を免除することが決定されたことを知らせる通知であり、破産者の情報が官報に記載されることになります。

免責許可決定の確定

免責許可決定後、およそ1ヶ月程度で免責が確定し、債務返済の必要がなくなります。

破産手続きのための必要書類

破産手続きを申し立てるためには、以下のような書類を用意し裁判所に提出することになります。

  • 破産手続き開始及び免責申立書:破産を希望する事情や申立人の情報等を記載
  • 陳述書:なぜ自己破産が必要になったか経緯を詳細に説明し、現時点における生活状況を深刻
  • 債権者一覧表:借入先やクレジットカード会社等の債権者の一覧を作成し、各借入金と使途を記載
  • 財産目録:申立人が所有する全ての財産を申告
  • 家計の状況:直近2ヶ月分の家計収支を記載して申告

この他、本籍が記載された住民票や戸籍謄本、収入を証明する書類、課税証明書、全ての通帳のコピー等が必要になります。

また、不動産を所有する人は登記事項証明書、車を所有する人は車検証、生命保険に入っている人は保険証券や解約返戻金証明書等を用意する必要があります。

破産申し立てには1,500円分の印紙と、裁判所が指定する郵便切手を用意します。

借金免除が認められない免責不許可事由とは

自己破産手続きでは、借金の免責が認められない「免責不許可事由」があり、以下のような例が該当します。

浪費やギャンブルによる借金

借金の原因が買い物等による浪費が原因である場合や、パチンコや競馬等のギャンブルである場合、財産減少リスクのある投機を行っていた場合等は、免責不許可事由に該当します。

財産隠しが発覚した場合

特に管財事件の場合、債権者に弁済するための財産を少なくするために、財産を意図的に隠したり破格値で処分したりするといった行為が見つかることがあります。

発覚すると財産隠しとして免責不許可事由の対象になります。

換金行為

クレジットカードで購入したものを転売する等の換金行為は、各クレジットカード会社が定める規約に違反する行為です。従って、これも免責不許可事由に当たります。

 
このような免責不許可事由が認められる場合でも、申立人の事情に鑑み、裁判官がその裁量で免責を認める場合があります。

免責不許可事由に該当する行為が比較的軽微である時や、管財事件で積極的に協力する姿勢が認められる時等は、裁判官が判断して免責の可否を決定することができるのです。

自己破産について相談したい場合は早めに弁護士へ連絡を

弁護士に相談すべきタイミングは決まっているわけではなく、本人がその必要性を感じた時点でいつでも連絡すべきだと当事務所では考えています。

自分の現状について客観的に把握し、今後どのように動くのが適切なのか、まずは相談だけでもしておき、必要となった時点で依頼することにしても良いのです。

一人で問題を抱え込んで事態がより深刻化すると、本人の負担はより大きくなってしまいます。

また、借金に追われている状況では客観的な判断がしにくいこともあるため、相談はなるべく早めに行うことを強くお勧めします。