過払い金の請求手続きの流れと弁護士に依頼すべき理由
かつて高すぎる金利で借り入れをしていた人は、過払い金の返還を受けられる可能性があります。ただし、その手続きは非常に煩雑で時間がかかり、金融業者との交渉も含むため決して簡単なものではありません。
ここでは、過払い金の請求手続きの概要や弁護士に依頼すべき理由について解説します。
過払い金請求を行うために必要な準備
過払い金の返還請求を行うためには、過去に相手方金融業者とどの程度の期間に渡りいくらの取引があったかを確認する必要があります。
その上で、業者が過去に適用していた金利と利息制限法による金利を差し引き計算し、過払いとなっている部分を算出します。
- 相手方金融業者との取引履歴
- 借り入れや返済を証明する利用明細や返済時の振込票等
- 相手方金融業やとの契約書
- 利息の引き直し計算書
- 過払い金の返還請求書
これらの書類のうち取引履歴は業者から取り寄せることができますが、請求を行う人も契約書や利用明細、返済時の振込票等、取引内容を証明できるものをできる限り用意します。
金利の引き直し計算は複雑であるため、弁護士に依頼した方が、間違いのない計算を行うことができます。
過払い金の請求手続きの概要と期間
必要書類の準備を含めた過払い金の請求手続きは、次のような流れで進んでいきます。
金融業者に対する取引履歴の開示請求
借入人との間で、いくらの取引をどれくらいの期間に渡って行ってきたか、取引履歴の開示を請求することで確認することができます。
個人で開示を求めた場合は請求後1~2か月程度かかることがありますが、弁護士に依頼した場合はより迅速に対応してもらえる傾向があります。
金利の引き直し計算
取引履歴に記載されている借入日や返済日、金額等を確認し、現在適用されている利息制限法の上限利息と照らし合わせて引き直し計算を行います。
利息制限法に基づく上限金利
借入10万円未満の場合:上限20%
借入10万円から100万円未満の場合:上限18%
借入100万円以上の場合:上限15%
これら上限割合を超えて返済してきた分が過払い金となります。計算は非常に複雑で、かつ正確性が求められることから、慎重な作業が求められます。
過払い金の請求手続きを行う
引き直し計算が済み過払い部分が判明したら、当該金融業者に対して過払い金の請求手続きを行います。
書面には、業者情報や借入人情報、契約番号や取引番号、利息制限法に則って計算した結果いくらの過払い金があるかを明記し、その返還を求める旨を記載します。
金融業者との交渉を行う
過払い金の返還請求書を送った後、相手方金融業者との交渉がスタートします。過払い金額の確認や、いつまでにどのような方法で返還されるか等、請求者が不利にならないよう話し合わなければなりません。
もし、金融業者との交渉内容にどうしても納得できない場合は、裁判で争うことになります。
和解が成立しなかった場合は過払い金請求訴訟を起こす
相手方金融業者が提示する金額や支払い条件が、借入人にとって不利であると感じた場合、裁判所に対して過払い金請求訴訟を起こすことになります。
訴訟を起こすためには事前に書類をいくつも用意し、法律をよく理解しながら法的用語を駆使して文面作成する必要が出てきます。
また、訴訟は一般的に時間がかかるものであるため、決着がつくまでに数カ月程度要することも考えられますし、少しでも多く過払い金を返還してもらおうとした場合は、より時間がかかる傾向があります。
過払い金の返還が行われる
和解あるいは訴訟による判決で決着がついたら、金融業者は借入人に対して過払いとなっていた金銭を返還します。
和解した場合は和解書、訴訟の場合は判決書が合意文書となり、記載内容に従って、指定した口座に決定金額が振り込まれることになります。
専門書類や複雑な計算を要する過払い金請求は弁護士に依頼すべき
このように、過払い金の返還を受けるためには、取引履歴の開示請求を行い自分の返済履歴等を確認し、さらに複雑な金利計算を行って、過払いとなっているお金がどれくらいあるのか正確に導き出す必要があります。
事前準備だけでも相当の労力を要しますが、相手方金融業者と交渉となると難航するケースも多々あり、個人で全ての作業を行うことは非常に負担が大きいと言えるでしょう。
特に交渉の場では、法的知識のない個人の足元を見て、金融業者が過払い金額を低く見積もったりいつまでも返還に応じなかったりする等、まともに対応しない例も見受けられます。
間違いのない準備と計算を行い不利な条件を回避するためには、やはり専門業務として弁護士に任せることが重要ですし、いざ訴訟に発展した場合でも安心して裁判に臨むことができます。
過払い金請求の手続きは当事務所までお気軽に相談を
インターネットで少し調べるだけでも、過払い金請求に関する情報がたくさん見つかりますし、どのような手続きを行って過払い金が返還されるのか、その流れを確認することもできます。
しかし、実務として実際に手続きを行うとなると、状況はかなり変わってきます。
実際の準備では想像を超えた労を要するものですし、金融業者を相手にした交渉では常にシナリオ通りに事が進むとは限りません。金銭の返還請求は、個人で行うには決して簡単とは言えないため、過払い金問題に詳しく経験値の高い弁護士に任せることは非常に大切なのです。
過払い金について心配されている方は、自分も過払い金返還の対象ではないか、でも請求を行うことでその後に何らかの不利益を被るのではないか、という点に不安を感じているかもしれません。
当事務所弁護士は、相談者の不安な点をよく伺った上で、過払い金請求手続きについて丁寧に説明を行い、最初の時点である程度の見通しを示すことができます。
依頼者の心配な気持ちをできるだけ和らげつつ、同時に過払い金という法的問題をしっかりとサポートしていきますので、どうか一人で抱えることなく当事務所までお気軽にご相談頂けることをお待ちしております。