亡くなられた方父親
相続人長女,長男
財産(遺産)土地,預貯金

ご依頼の背景

 被相続人は多数の不動産を残して死亡しましたが,亡くなる前に遺言書を残していました。その遺言書によると被相続人の不動産を全てをご依頼者以外の相続人(弟)に譲るという内容でした。  ご依頼者は被相続人の生前,不動産の半分を譲ると言われており,当然相続できるものと考えていましたが,実際は弟が遺言によりすべて取得することになりました。ご依頼者は被相続人がこのような不公平な遺言を残すはずはなく,弟が父に泣きつくなどしてこうした遺言書を書かせたのではないかと疑いましたが,証拠があるわけでもなく,また公正証書遺言だったため,遺言書の効力自体を争うことはできませんでした。  そこで,ご依頼者は少しでも自分の相続分を確保できないか,当職に相談に来られました。

依頼人の主張

 ご依頼者としては,被相続人の残した多数の不動産のすべてを弟が取得する一方で,自分はまったく何も取得できないことはあまりに不公平であるという主張でした。  そのため,相続分である2分の1の取り分はなくとも,少しでも取り分が欲しいというお考えでした。

サポートの流れ

 遺言書があったとしても,相続人全員が改めて遺産分割協議を行えば,遺言書の内容に拘束されることなく新たな遺産分割協議の内容にしたがって遺産を分けることもできます。  そのため,遺言によってすべての遺産を取得した弟さんがご依頼者との新たな遺産分割協議を行えば遺産を再分配することもできます。しかしながら,弟さんが自分に不利になる遺産分割協議に応じる可能性は低く,現実的には新たな遺産分割協議はできないと思われます。  そこで現実的に考えられる方法は相続人であるご依頼者が遺留分減殺請求権(民法1028条以下)を行使することです。遺留分とは被相続人の遺言などを前提としつつ,その遺言などで悪影響を受ける相続人の利益を守るために認めれた制度であり。まさに本件のような場合に意味を持つものでした。  遺留分は相続分よりも一般的にその金額(割合)は小さくなりますが,一定程度の金額(割合)が確保されるため,遺留分権利者の利益は最低限守られることとなります。  ただ,遺留分は当然に認められるわけではなく,請求をしない限り認められません。さらに,遺留分の請求(遺留分減殺請求)は主張期間(時効期間)が限られている(民法1042条)ため,すぐに請求をしなければなりません。  そこで,当職は直ちに内容証明郵便にて遺留分減殺請求を行い,相手方が争ってきたため,調停さらには裁判を起こしました。

結果

 裁判においてはご依頼者の遺留分がすべて認められ,すべての遺産の4分の1が遺留分として認められました。  ただ,被相続人の残してくれた遺産はすべて不動産であったため,遺産の4分の1を取得できたとしても,ご依頼者が4分の1,相手方である弟が4分の3という共有となってしまいます。しかしながら,争いのあった兄弟間での共有では今後の不動産の処分が困難となり,新たな問題が生じることは明らかでした。しかもご依頼者としては不動産については全く興味はないという状況でした。  そこで,当職は不動産をすべて弟に譲る代わりに,不動産の4分の1に相当する金銭(代償金)を弟に支払ってもらうことで,利益を確保することとしました。  最終的に当職の主張は認められ,多額の代償金(金銭)を得ることができました。

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